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「住職が悪霊にやられた」「弟子が全身みみず腫れに…」開運商法で訴えられた寺の巧妙な手口 [産経新聞]

2016/09/04 23:00  Category:引越

2016.9.3 11:25

 「悪霊が強すぎて祈祷した住職が倒れた。あなたのせいだ。霊を鎮めるのに1200万円必要だ」「あなたの先祖の武士が殺人をした。そのせいであなたに邪気がついている。今のままでは運気が開かない」-。
 いわゆる「開運商法」で不当に多額の金銭を支払わされたとして、1都7県に住む30~80代の男女9人が、開運商法業者や加持祈祷名目で関与したとされる2つの寺などに計約8700万円の損害賠償を求めた訴訟。訴状では、“生きる苦しさ”の理由を悪霊など超常的な存在に求めてしまいがちな人間の弱さにつけ込み、金銭を支払わせようとする手法が生々しく明らかにされた。
続き >> http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/160903/evt16090311250008-n1.html

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「住職が悪霊にやられた」「弟子が全身みみず腫れに…」開運商法で訴えられた寺の巧妙な手口
産経新聞 2016.9.3 11:25
http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/160903/evt16090311250008-n1.html

 「悪霊が強すぎて祈祷した住職が倒れた。あなたのせいだ。霊を鎮めるのに1200万円必要だ」「あなたの先祖の武士が殺人をした。そのせいであなたに邪気がついている。今のままでは運気が開かない」-。

 いわゆる「開運商法」で不当に多額の金銭を支払わされたとして、1都7県に住む30~80代の男女9人が、開運商法業者や加持祈祷名目で関与したとされる2つの寺などに計約8700万円の損害賠償を求めた訴訟。訴状では、“生きる苦しさ”の理由を悪霊など超常的な存在に求めてしまいがちな人間の弱さにつけ込み、金銭を支払わせようとする手法が生々しく明らかにされた。

 提訴は8月29日。この訴訟で原告側は被告として、(1)開運商法業者(2)業者と加持祈祷の業務提携契約を結んでいたとされる「戒徳寺」と「観音寺」(ともに岡山県高梁市)(3)両寺がそれぞれ所属する包括宗教法人である「真言宗御室派」(京都市)と「真言宗善通寺派」(香川県善通寺市)を訴えた。

 両包括宗教法人については「両寺が開運商法に加担しているのを把握しながら、住職交代などの措置を行わず、監督責任を果たさなかった」と主張している。原告側を支援している「開運商法被害弁護団」によると、開運商法に関与したとされる寺の責任を問うのは異例な上、包括宗教法人の責任を問うのも初という。

 弁護団は「数千万円を支払わされ、全財産を失った人もいる。業者は当然だが、住職という社会的信用の高さを悪用した責任は重い」とした。


 訴状に描かれた開運商法の手口は巧妙だ。

 実質的に同一グループとみられる被告の開運商法業者3社「笑福道」「さくら」「ひかり」=いずれも解散=は「宝くじが当たる」「運気が開ける」「効果がなければ電話を下さい」などとする広告を雑誌に掲載し、開運ブレスレットなどの商品を販売。購入者が「効果がない」などと苦情の電話を入れると、業者は「そんなはずはない。原因を調べる霊視をするため写真などを送ってほしい」などと伝える。

 購入者が写真などを送ると、「霊視の結果、悪霊がついていることが分かった。それが効果が出ない原因だ」「このままでは家族にも悪いことが起きる」などと危機感をあおり、「除霊や祈祷が必要だ」として、戒徳寺や観音寺の住職らを紹介し、祈祷名目で数十万~数百万円の代金を支払わせる。両寺の代表者は親子関係にあるという。

 それでも効果が出ず不安になった購入者には「家の近くの墓地が原因だ」「家族にも悪霊がついている」などと新たな“原因”を述べ、繰り返し祈祷などを行うように仕向け、多額の金銭を支払わせるという。金銭は銀行を通さず、宅急便でタオルなどにくるんで送るよう指示されるなどしていた。

 弁護団は「加持祈祷料は業者と両寺が分け合っていた。両寺のホームページには、寺の『東京分院』の問い合わせ先電話番号として、業者が契約した電話番号を掲載していた」と指摘。「両寺はわれわれ弁護団に『業者と加持祈祷サービスの業務提携はしていたが、悪質行為に加担していた認識はない』と説明したが、そんな理屈は通らない」と話した。

 加持祈祷の名目も巧妙だ。訴状によると、両寺の住職など関係者とみられる人物は原告との電話で次のような話をしたという。


「本来、あなたには1億円、2億円ぐらいの財産運があるが、あなたの先祖の武士が殺した人の霊が邪魔している」(計約700万円支払った原告)

 「あなたの除霊を担当した3代目住職が霊に負けて倒れた。交代した2代目も倒れた。あなたのために倒れた2人を見捨てるのか。私が除霊するので、300万円必要だ」(計1200万円を支払った原告)

 「先祖の悪霊が4体いる。1体300万円だが、2体分は私が出すから、600万円支払え」「霊が聞いているから、除霊を受けることは誰にも話してはいけない」「除霊した(2体分を支払うと話した)弟子が全身みみず腫れになり倒れた。悪霊が暴れるため行場を焼き払った。全国から弟子を呼び集めた。あなたが2体分の金を出せ」(計1500万円を支払った原告)

 開運商法をめぐっては、消費者庁が平成24年に注意喚起し、行政処分や業者側に逮捕者が相次ぐなどしたほか、広告を掲載した出版社が被害の端緒を作ったとして提訴され、和解金を支払うなど撲滅に向けた動きは加速している。

 しかし、弁護団は「業者側はペーパーカンパニーなどですぐに解散し、証拠が残りづらいため、捜査当局も動きにくい」と指摘。実際、この事件でも業者が解散しているため刑事事件化は難しく、民事提訴に踏み切ったという。

 両寺側は「(住職や寺の)名義を(業者に)悪用されたと考えている」と争う考えを示している。

 弁護団は「核家族化の進行や少子高齢化、時代の変化などで寺経営は一般的に悪化しており、今後も霊感商法に加担する寺が出てきてもおかしくはない」と注意を呼びかけている。(小野田雄一)
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