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3-1 「真っ黒な雲が覆いかぶさってくる」

2009/12/14 06:22  Category:「虚業教団」 関谷晧元

 第3章  「裸の王様」 への道


  「真っ黒な雲が覆いかぶさってくる」

 大川隆法の結婚前に、中原幸枝が一人の老婆を講演会に連れてきた。人のよさそうな、田舎弁丸出しのおばあさんだったが、中原によると、なかなかの霊感の持ち主であるという。
 その老婆は、講演会が終わってから感に堪えないようすでこう言った。
 「お話は難しくてよくわからなかったが、あの先生(大川)からは金色の後光が射しとった。いいところへ連れてきてもらって、ほんとにありがたい」
 霊感とか霊能力には比較的冷淡な私も、こんなふうに自分の参加する会が褒められるのは悪い気がしなかった。

 大川が結婚してから、老婆が再び講演会に顔を出したことがある。このときも中原が連れてきたのか、自分から会場へ来たのか、そのあたりの私の記憶は曖昧である。
 しかし大川について、次のように語ったのが強烈な印象となって残っている。
 「前に聴かせてもらったときは、金色の光が見えたにねぇ。今日はどうも違う。先生の後ろに魔女がいて、まっ黒い雲を吐き出している。それが、わしらのほうへかぶさってきて、えらく気味悪かったよ」

 いま考えると、不吉な言葉である。しかしそのときは、深くも考えなかった。日によって変わる"老婆のたわ言"ぐらいに受け止めていたと思う。
 老婆が見たという"魔女"に、現在の私は思い当たる一人の女性がいる。彼女の中高の鼻は、西洋の魔女のわしっ鼻と似ていなくもない。その女性が魔女なのだと言うつもりは、私には毛頭ない。主宰先生のように、「あの人には悪霊がついている」とか「彼は悪魔だ」などと言う趣味を私は持ち合わせていないからだ。
 しょせんは老婆のたわ言である。しかし、あのおばあさんは大川に、あるいは会に、何か良からぬ変化が起きているのを直観的に感じとったのではなかったか。それを、たまたま魔女というイメージであらわしたのではないだろうか。

 問題は、彼女が魔女かどうかではない。老婆の言った"魔女"という言葉に、私がその女性を思い浮かべるようになったという、その事実である。それには、もちろん理由がある。その理由は、〈幸福の科学〉を神理探究の場から、会員獲得を第一義とする宗教団体へと変質させてしまった、その原因の一つと重なっている。
 大川の結婚を境にして、〈幸福の科学〉 は急速に変質していったのである。




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